生き物の繁殖は、自然に行なわれるものですが、時に人間が行なう場合があります。
例えば鮭、メスの腹から取り出した卵に、オスの体液をかける作業風景をテレビなどで見たことがあります。
では、らんちゅうの人工接合とは、どの様なものでしょう。
調べてみました。
らんちゅうの人工接合
人工接合とは、人間の手によって、または人間が手伝って接合をする方法をいいます。
人工接合には、大きく分けて2つの方法がある様です。
産卵を自然に任せて、接合を人間の手で行なう
- 自然な産卵を待つとなると、人間も「寝ない(夜通し起きている)」などの準備が必要
- 産卵は午前中が多い様だが、始まらないことがある(寝不足も報われないことがある)
- 産卵のタイミングは個体次第である
- 産卵が遅れると、タイミングを逃す場合がある
- 人間が個体の腹を押すこと自体は簡単な作業である
- 人間の手が入ることで、接合する割合は確実に上がる
※個体が産卵を始めれば、こちらの方法が簡単な様です。
産卵も接合も人間の手で行なう
- 初めから人間の手で産卵と接合を行なうので、寝不足はない
- 産卵と接合のタイミングは人間次第だが、午後になると接合する割合が落ちる
- 産卵の時期を見極めるのが難しい
- 産卵させる力加減が難しい
- 産卵の時期を間違える(早い)と、成熟卵ではない卵が産まれる
- 産卵の準備が出来ているのに産卵の徴候がない時には、良い方法である
※待っても産卵を始めない場合には、こちらの方法が確実とのことです。
らんちゅうの人工接合の方法
用意するものは洗面器です。
- 産卵を控えたメスの飼育槽の水を洗面器にほぼ一杯まで入れる
- 片手で洗面器を回しながら、メスの腹から卵を押し出す※洗面器を回すことで卵がほぐれて底に落ちます。また、卵同士が触れているとそこから腐る可能性があるので、それを防止できます。
- 接合させたい(選んだ)オスの体液を卵の洗面器に入れる
- 手で水面近くを混ぜて人工接合完了
接合後の作業
- 舟に水をはり、ヒーター(28℃設定)する
- 細胞卵の入った洗面器を浮かべる
- 細胞卵に負担(ストレス)がかからない様に、エアストーンは宙づりにする
- 舟をトタン板などでおおう※保温する
- 上に新聞紙などを被せる※光をさえぎり、薄暗くする
まとめ
産卵や接合をさせる時、水槽の水に薬剤を入れたり、薄い塩水にしたりなど、気を使う飼い主がいる様ですが、そんな必要は全くないということでした。
必要なのは、
- 細胞卵同士がくっ付かないこと
- 細胞卵の水槽に直射日光や、光が当たらないこと
- 細胞卵にエアストーンが触らないこと
- 水換えは1~2日置きに同じ水の温度で交換すること
- 28℃設定で湯煎すること
この5つのことに注意していれば、らんちゅうの人工接合は難しくないということでした。